今回は吸入薬でお馴染みのディスカスについてです。
あの丸くてコロンとした形、中身はどのような仕組みになっているのかご存知ですか…?
その謎を知るべく徹底分解してみました!
※記事内容は管理人個人の見解に基づくものであり、公式見解ではございません。
ご了承ください。
ディスカスとは
ディスカスとは、
吸入薬のデバイス(機器)の名前です。
吸入器には、
- DPI(ドライパウダー定量吸入器)
- pMDI(加圧噴霧式)
- SMI(ソフトミスト定量吸入器)
の3種類があり、ディスカスはDPIに当たります。
使い方としては、以下のようになります。
①カバーを開ける。
②吸入口を手前に向け、カチッと鳴るまでレバーをひく。
③吸入口を咥え、はやく深く息を吸い込む。
吸い込んだ後軽く息を止め、ゆっくりと息を吐く。
④レバーをカチッとなるまで回し戻す。
⑤カバーを閉める。
ディスカス(Diskus)の名前の由来は、
円盤状のものを意味する diskと、
古代ギリシャから伝わる円盤競技である diseus
からなるそうです!
余談ですが、ディスカスという魚もいるみたいです。
この魚も円盤のような見た目から名付けられたみたいですね。
使用するされる薬剤
ディスカスを使用している薬は3つあります。
【フルタイド】
薬剤:フルチカゾンプロピオン酸
適応:気管支喘息
【セレベント】
薬剤:サルメテロール
適応:慢性閉塞性肺疾患
【アドエア】
薬剤:フルチカゾンプロピオン酸
サルメテロール
適応:気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患
同じデバイスでも、装填される薬によって適応症が異なります。
では実際に中身をみていきましょう!
徹底解剖⓪下準備
これが今回使用するディスカスになります。
まずカバーを外します
(ここが1番苦戦しました…)。
さらに本体を半分に開いてみます。
何か薬のシートと歯車みたいなものが見えましたね…!
続いて内部の仕組みをみていきましょう!
徹底解剖①吸入できる仕組み
どのようにして薬を吸うことができるのか。
ディスカスの中には、ブリスターと呼ばれる薬剤が充填されたアルミのシートが入っています。
レバーをカチッと鳴るまで引くと、中の歯車が回転し、
ブリスターの本体シートと蓋シートが剥がれます。
あらわになった本体シートに入っている薬を吸入口から吸い込みます。
吸入後レバーをカチッと鳴るまで戻すと1回分が終了です。
剥がれたシートは左右で巻きとってくれるので、収納スペースに無駄がないですね!
考えた方素晴らしい…!!!
徹底解剖②音が鳴る仕組み
ディスカスの凄さはここから!もっと分解して音が鳴る仕組みも解明してみましょう!
ブリスターと白いトレーを外してみました。
さらに分解。
大小合わせて8つもの歯車が組み込まれていました!!!
ミソは、吸入口に1番近い中央にある歯車。
この歯車は、下の歯車と上の歯車で構成されています。
下には長い突起が、上にはギザギザの突起があります。
レバーを引いた時は、この上下の突起同士が噛み合っており、
上の歯車に連動して全ての歯車が回ります。
上の歯車と土台の突起が弾き合い、カチツと鳴ります。
レバーを戻す時に回るのは、実は下の歯車のみ!!!
下の歯車しか回らないのは、上下の歯車の突起同士がレバーを引いた時に外れて
連動しなくなるからみたいです。
下の歯車のみ先程と逆に回り、上下の突起同士が再度噛み合うことでカチッと鳴ります。
音が鳴る仕組みは、歯車とその内部の凹凸によってできていたみいです…!!!

ディスカスの中でこのような
緻密なカラクリがあったなんて、驚きでした!
内部構造を理解することで、
より深い服薬指導へ繋がりそうです。
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