ジェネリック医薬品の解説書

処方箋のお薬をもらったことがある方は一度は聞いたことのある

「ジェネリック医薬品」

そもそもどんな薬なのか?

名前の由来から国が勧めている理由まで、まるごと解説します!

目次

ジェネリック医薬品の名前の由来

医薬品には、医療用医薬品と一般用医薬品の2種類があります。

医療用医薬品は、一番売された医薬品である「先発医薬品」と、そのから売された医薬品である「後発医薬品」に分けられます。

先発医薬品は、薬の効果や覚えやすさなどを考慮して、製薬会社が自由に商品名をつけています。

商品名のみで製薬会社が特定されるため、商品名の中に製薬会社は含まれていません。

後発医薬品は、一般名(薬の有効成分の名前)が使用されます。

そのため、同じ一般名の後発医薬品を様々な製薬会社が販売したらどこの製薬会社のものか分からなくなるので、一般名の後に「製薬会社名」が含まれています。

欧米では、商品名ではなく一般名(generic name;ジェネリックネーム)で処方されることが多く、後発医薬品を「generics;ジェネリック医薬品」と呼んでいます。

これが世界に広まって、日本でも同じように「ジェネリック医薬品」と呼ぶようになったらしいです。

先発医薬品よりも安い理由

先発医薬品よりもジェネリック医薬品が安いのは、開発費が低いからです。

先発医薬品は、新たな医薬品の候補になる物質が発見されてから世の中に販売されるまでおよそ9年から17年の期間500億円の費用がかかります。

この長い歳月と多額の費用が他の人に利用されて無駄になってしまわないよう、また他の人が無駄な研究や投資をしてしまわないよう、新しい医薬品に特許権(発明を保護できる権利)が与えられます。特許権が失効した後は、国民の共有財産となり誰でも自由に利用できます。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、この特許期間の終了かつ再審査終了後に製造・販売されるお薬です。

先発医薬品で必要だった多額の開発費がかからないので、数千万円もの開発費で販売することができます。

これがお薬の値段に反映されているのですね!

日本の特許は出願から20年が期間ですが、医薬品は開発期間が長いことや、出願後も数々の医薬品審査により直ぐに販売できないことから最大5年の延長が認められています。

先発医薬品と何が同じ?

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分同じ量使用しています。

形や大きさ、味や香りなどの添加剤は異なるので全てが同じではありませんが、品質、安全性、効き目を調べる試験で合格し、同等であることを証明しています。

出典:日本ジェネリック製薬協会

医薬品に使用する添加剤は日本薬局方と呼ばれる法律により厳しく規定されています。

添加剤は、製剤に含まれる有効成分以外の物質で、有効成分及び製剤の有用性を高める、製剤化を容易にする、品質の安定化を図る、または使用性を向上させるなどの目的で用いられる。製剤には、必要に応じて、適切な添加剤を加えることができる。ただし、用いる添加剤はその製剤の投与量において薬理作用を示さず、無害でなければならない。また、添加物は有効成分の治療効果を妨げるものであってはならない。

日本で使用できる医薬品添加剤は、使用前例があり安全性が確認されているもので、先発医薬品、ジェネリック医薬品もその中から適切なものを選定し、組み合わせて使用しています。

アレルギーをお持ちの方は、先発医薬品、ジェネリック医薬品を問わず、添加剤の中でアレルギーを起こすものがあるかもしれませんので、医師や薬剤師にご相談ください。

オーソライズドジェネリックとは?

ジェネリック医薬品の中には、「オーソライズドジェネリック」という医薬品があります。

オーソライズド(Authorized)は“許諾を受けた”という意味で、Authorized genericsの頭文字を取ってAGと表記されます。先発医薬品の特許期間・再審査が終了すると、ジェネリック医薬品が出回るようになり、市場シェアを奪われてしまいます。先発医薬品の製薬企業の収益を守るため、先発医薬品の製薬企業自体が、またはその系列契約先の製薬企業に許可を与えて製造・販売しているものになります。

一口にAGといってもランクがあり、AG1となると先発品とほぼ同一です。

ジェネリック医薬品AG1AG2AG3
有効成分同一同一同一同一
効能・効果同一同一同一同一
原薬異なる場合がある同一同一異なる
添加物異なる場合がある同一同一同一
製造方法異なる場合がある同一異なる異なる
製造工場異なる場合がある同一異なる異なる
先発医薬品との比較

しかも、AGはジェネリック医薬品と同じく、先発医薬品と比べて安価

ジェネリック医薬品が不安な方は、AGがあるか薬剤師に聞いてみてもいいかもしれませんね。

国が勧めている理由

2024年10月から始まる「選定医療制度」

先発医薬品の一部患者さんのご希望で選ばれる場合、自己負担金に上乗せで追加負担をいただくようになります。

国がジェネリック医薬品使用推進のために新設した制度です。

ここまで国がジェネリック医薬品を勧めるのは、医療費の増大があるからです。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/21/dl/data.pdf

現在、日本国民が少ない負担で医療を受けられるのは、国民皆保険制度のおかげです。

医療費の負担内容は、我々の保険料、自己負担金以外にも公費が使われています。

国民医療費が増大すると、財源のバランスが取れなくなりいずれか制度自体が破綻してしまうかもしれません。

これからの世代も安心して医療が受けられるよう、後発品医薬品の使用促進をしていきたいですね。

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この記事を書いた人

地域の薬局薬剤師。人生のモットーは「人々の快適の手伝いをする」こと。医療系以外にFP3級取得などライフプランニングに興味あり。

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