インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因で発症する感染症です。
発熱や倦怠感、咳などの症状が現れるため、適切な治療が重要となります。
ここでは、インフルエンザ感染症から、主に使用されるインフルエンザ治療薬の種類とその特徴、予防策について分かりやすく解説します!
インフルエンザとは
毎年冬から春先にかけて流行する感染症です。
インフルエンザウイルス感染者の飛沫や接触により上気道から感染します。
【潜伏期間】
1~3日
【主な症状】
・発熱(急激、38℃以上)
・全身倦怠感
・関節痛、筋肉痛、頭痛、咽頭痛
・鼻閉、鼻水
・咳、くしゃみ
また、合併症として「インフルエンザ脳症」と「肺炎」があります。
この場合は即時に入院し、治療を受ける必要があります。

インフルエンザ治療薬の種類
インフルエンザの治療薬は以下のものがあります。
どれも、発症から48時間以内の服用が推奨されます。
服用することで、症状が緩和する期間が短くなったり、重症化を防ぐ事ができます。

ノイラミニダーゼ阻害薬
ノイラミニダーゼというウイルスの酵素の働きを抑えることで、ウイルスが体内で広がるのを防ぎます。
(医薬品)タミフル®、リレンザ®、イナビル®、ラピアクタ®
mRNA合成阻害薬 (キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬)
ウイルスが増殖する際に必要なタンパク質の生成を妨げます。
(医薬品)ゾフルーザ®

今回は、よく処方される経口薬と吸入薬に絞って解説します。
オセルタミビル(タミフル®)


臨床実績が豊富であり、シロップ剤もあるのが特徴です。
吸入が上手くできない高齢者やお子さんに適しています。



シロップ剤はミックスフルーツ味の風味がつけられており、飲みやすくする工夫がされています︎^ ^
2025年1月現在、インフルエンザ感染症の大流行により流通規制がかかっているものがあります。
2025/1/8:沢井製薬
・オセルタミビルカプセル75mg「サワイ」:出荷停止→2025年2月より通常出荷
・オセルタミビルDS3%「サワイ」:出荷停止→2025年2月より通常出荷
2025/1/9:中外製薬
・タミフル®カプセル75 100カプセル包装:出荷停止→2025年3月24日解除予定
・タミフル®カプセル75 10カプセル包装:限定出荷→2025年2月17日より通常出荷
・タミフル®ドライシロップ3%:限定出荷→2025年2月17日より通常出荷
2025/1/10:東和薬品
・オセルタミビル錠75mg「トーワ」:限定出荷→2025年2月28日より通常出荷
ザナミビル(リレンザ®)


薬が入っているブリスター(アルミのシート)を、専用の吸入器に入れて使用します。
吸入操作がいくつかあるので、少し使いにくいです。



牛乳アレルギーや肺炎・喘息合併の方は避けた方がよいでしょう。
ラニナミビル(イナビル®)


1回で治療が完了する吸入薬です。
吸入操作は、容器の①と②をスライドするのみなので、リレンザ®と比べて使いやすいです。



イナビル®もリレンザ®と同じく、牛乳アレルギーや肺炎・喘息合併の方は避けた方がよい薬です。
2025年1月現在、インフルエンザ感染症の大流行により流通規制がかかっているものがあります。
2025/1/14:第一三共株式会社
イナビル®吸入粉末剤20mg:限定出荷→2025年2月14日より通常出荷
イナビル®吸入懸濁用160mgセット:限定出荷→2025年2月14日より通常出荷
バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ®)


比較的新しい薬で、1回で治療が完了する内服薬です。
2023/24 シーズンのインフルエンザ治療・予防指針では、新たに「12歳以上の小児」にも推奨されるようになりました。



以前は耐性化ウイルスが問題視されていましたが、現在では過剰に心配する状況ではなくなっています。
2025年1月現在、インフルエンザ感染症の大流行により流通規制がかかっているものがあります。
2025/1/9:塩野義製薬
ゾフルーザ®錠10mg、20mg:限定出荷→2025年3月より通常出荷
まずはかからない為の予防策を!
インフルエンザは感染すると、発熱や痛みなど身体にとても負荷がかかり、肉体的にも精神的にも辛くなります。
そのような状態にならないために、日頃からの感染対策が重要です!
代表的なものとして、「手洗い」「マスクの着用を含む咳(せき)エチケット」「換気」などが有効とされています。





また、重症化予防のためのワクチン接種も有効です。


まとめ
・インフルエンザは感染から1~3日で発症する、発熱や倦怠感、咽頭痛などを伴う上気道感染症
・治療薬はさまざまな種類があり、年齢や既往歴、状態に合わせて処方が決められる
・発症時には迅速に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切
・予防のために、手洗い、マスクの着用、喚起など日常に感染対策を取り入れる
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