毎年春や秋になるとやってくる花粉シーズン。
鼻水や鼻づまり、目のかゆみなど、つらい症状を和らげるために薬を使う人も多いでしょう。
しかし、薬にはドラッグストアで買える「市販薬」と病院で処方される「処方薬」があり、どちらを選べばいいか迷う人も。
今回は、薬剤師の視点から両者の違いや、最適な薬の選び方についてお伝えします!
2人に1人は花粉症の時代

そもそも花粉症とは、体内に入ってきた花粉によって体内で起こる免疫反応です。
体内に侵入した花粉という異物を排除しようと、鼻水やくしゃみ、流涙を引き起こします。
免疫反応は異物から身体を守るための大事な反応ですが、過剰に起こってしまうと、このように日常生活に支障を起こしてしまうことがあります。
患者数は年々増えており、2019年に全国調査※では、日本人の花粉症有病率は42.5%で、2人に1人の割合です。
※https://www.env.go.jp/content/900406385.pdf

地球温暖化により、花粉の飛散時期が長くなっていることも患者数増加の原因とも言われています。
市販薬と処方薬の違いを一目でチェック!
項目 | 市販薬 | 処方薬 |
購入方法 | ドラッグストア・通販 | 病院での処方箋が必要 |
効果の強さ | 軽~中程度の症状向け | 中~重度の症状にも対応可 |
副作用 | 比較的少ない | 種類によってはリスク大 |
保険適用 | なし(自己負担) | あり(一般的に3割負担) |
利便性 | すぐに購入できる | 受診の手間がかかる |



次に、それぞれのメリットデメリットを詳しくみていきましょう。
市販薬のメリット・デメリット
メリット
病院に受診しなくてもドラッグストアや通販ですぐに購入することができます。
処方薬は病院と薬局でそれぞれ会計がありますが、市販薬は売値を見るだけで手に入れるのに必要な金額がわかります。
デメリット
比較的成分の濃度が低めで、重度の症状には効果が不十分なことがあります。
症状を一時的に抑えるのには効果的ですが、長期的な使用は不向きです。
処方薬のメリット・デメリット
メリット
市販薬では効かない症状も改善できる可能性があります。
個々の症状に合った薬を選んで処方してもらえます。
デメリット
診察の手間や待ち時間などがかかります。
強力な薬ほど、副作用が起こる可能性が高くなります。
花粉症に使われる市販薬と処方薬


花粉症に使われる主な薬として、
・抗ヒスタミン薬
・ロイコトリエン拮抗薬
・局所ステロイド薬
があります。
抗ヒスタミン薬
効果:くしゃみや鼻水、鼻詰まり、眼の痒みなど広く効く
効果が出るまで:比較的早い
主な副作用:眠気
市販薬:○
中には、眠気が出にくく運転可能な薬もあります。
・ビラノア
・デザレックス
・アレグラ(フェキソフェナジン) ←市販薬あり
・クラリチン(ロラタジン) ←市販薬あり
ロイコトリエン拮抗薬
効果:鼻詰まり>くしゃみ、鼻詰まり、眼の痒み
効果が出るまで:1~2週間程度かかる
主な副作用:比較的少ない
市販薬:×
局所ステロイド薬
効果:花粉症などアレルギー症状を強く抑える
効果が出るまで:早い
主な副作用:長期使用で胃潰瘍、糖尿病など
市販薬:○ (フルナーゼ点鼻液など)



漢方薬では、小青竜湯が使われることが多いです
このような場合は受診しよう!
花粉症は市販薬でも症状を抑えることができますが、受診することでより効果的に治療や対策を行うことができます。以下の場合は受診されることをおすすめします。
長期的な対策をしたい
医師の診断を受けて、最適な薬を使いたい
まとめ
花粉症は今や、2人に1人が経験している身近な疾患です。
毎年の軽いくしゃみや鼻水 →市販薬で対応
市販薬で効かない場合や初めて症状が出た時 →病院に受診
をおすすめします!
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