薬局での会計時、
「他の薬局と値段が違う…」
「いつももらってるのに値段変わった」
と思われたこと、あるのではないでしょうか?
実は、お会計の金額の計算はとても複雑なんです。
今回はその仕組みについて解説します!
「お会計」は4つの部門からなる
薬局でお支払いいただく金額は、厚生労働省が定めた調剤報酬点数表により1点=10円で算定し、その中の自己負担分になります。
調剤報酬を構成しているものは、以下の4つになります。
「調剤技術料」
薬局の機能や体制を評価する項目です。特に「調剤基本料」が大きく占めており、薬局によって異なります。
「薬学管理料」
患者様が安全に服薬できるよう、薬剤師が各種指導や情報提供を行った場合に算定する項目です。
「薬剤料」
お薬自体の価格です。
「特定保健医療材料料」
糖尿病でのインスリンの針など特別な場合のみに使用する材料の価格です。
※調剤報酬は、厚生労働省から毎年不正・不当請求等が行われていないか厳重に管理されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001238903.pdf
「薬剤料」と「特定保健医療材料料」は国により価格が定められているので、同じものであれば、それぞれの価格改定がない限り変わることはありません。
お会計の金額が異なるのは、「調剤技術料」と「薬学管理料」この2つによるものです。
「お会計」を高くしないポイント
①お薬手帳を持参する
薬学管理料の中で大きく占める「服薬管理指導料」は、お薬手帳などの薬剤服用歴等を活用して、薬剤師が行った必要な情報提供及び指導に対して与えられる点数です。
過去や現在のお薬の使用歴や体質、アレルギー歴、既往歴など大切な情報が記載されている「お薬手帳」の利用を心がけてもらうため、利用すると負担が低くなるようになっています。
②ジェネリック医薬品を選ぶ
後発医薬品(ジェネリック医薬品)は、
先発医薬品(初めて販売した医薬品)の特許が切れた後、
治療学的に同等であるものとして製造販売が承認された医薬品です。
一般的に研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価がお安くなっています。
患者さんの負担の軽減はもちろん、年々増えている医療費の削減にも繋がります。

③調剤基本料が低い薬局を選ぶ
調剤技術料は、薬局の施設基準により決まっています。
https://kakari.medpeer.jp/dispensation_fee_encyclopedia/1
薬局のタイプで例えると、このような感じです。
調剤基本料①:街中など小さな個人契約の薬局
調剤基本料②:病院の前にある薬局
調剤基本料③イ/ロ/ハ:チェーンの薬局
特別調剤基本料A/B:病院の中にある薬局
会計時、領収書と一緒にお渡しする調剤明細書に記載されているので、
確認してみてもいいですね!
④営業時間外や営業日以外の休日に利用しない
調剤技術料の中に、
「時間外等加算」と「夜間・休日等加算」
というものがあり、以下の時間帯で規定されています。
時間外等加算
時間外加算:おおむね6:00〜8:00、18:00〜22:00の間
深夜加算:深夜(22:00~翌6:00)の開局時間以外の時間
休日加算:深夜を除く休日(日曜日、国民の祝日、1/2、1/3、12/29、12/30、12/31)の開局時間以外の時間
夜間・休日等加算
薬局が表示する開局時間内の特定の時間帯(時間帯は薬局内に掲示してあります)
基本、薬局の掲示している開局時間ではかかりませんが、イレギュラーな時は注意です。
安ければいい?1番大事なこと
処方箋は、全国どこでも保険薬局であれば受付できます。
今や、薬局はコンビニを上回る数です。
そんな溢れる薬局の中で、あなたはどの薬局を選びますか?
薬局は患者さんに安全にお薬を渡す最後の砦です。
薬剤師は、医師の処方箋より
「適切な量で最大限の効果が得られているか」
薬の知識や患者さんの体質、生活習慣から総合的に判断しています。
その評価がお会計に反映されています。
いくらお会計が安くすんだとしても、
全く信頼できない薬剤師、薬局から薬をもらった、
となると対価に見合っていないですよね。
他にも、薬局の通いやすさや雰囲気、対応の仕方などもそれぞれ異なります。
ぜひご自身が納得し、信頼できる薬局を選ばれてみてください(*^^*)
コメント
コメント一覧 (2件)
毎回同じ薬局で同じ薬なのに毎回点数や金額が微妙に違うのは何故
ぞ~ん様
お返事が遅くなり、大変申し訳ございません。
同じ薬局で同じ薬なのに点数や金額が異なるのは、主に以下の理由が考えられます。
・お薬手帳の持参有無、来局間隔
→3カ月以内に再度処方箋を持参かつお薬手帳を提示した場合、それ以外の場合よりも安くなります
・営業時間外や、薬局が掲示している開局時間内の特定の時間帯(土曜日の13時以降など)での利用
→上記の時間で利用した場合高くなります
・お薬の日数が変わった
→薬の処方日数が増えると高くなります
点数や値段が上がっている場合はその分薬剤師が必要な対応をした対価ですので、ご了承いただけますと幸いです。
くすり師の手帖
kusurishionotecho@gmail.com